実は、知らない人の方が多そう。【レースと刺繍の違い】についてお勉強
2021.09.20公開
刺繍とレースの違いって?
ウェディングドレス選びや、小物選びで必ず耳にする「刺繍」「レース」という言葉。
☑︎刺繍が美しいドレス
☑︎レースがふんだんにあしらわれたトレーン
なんて言い回し、よく聞きます。
DIYでも、刺繍のリングピローに挑戦したり、レースリボンを使ったりと、どちらもとても身近な素材です。
でも…
「刺繍」と「レース」がそれぞれ何を指すのか、どう違うのかって、聞かれたら自信を持って「こう!」と説明できますか?
もしかしたら、はっきり分かっているという方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、「そういえば刺繍とレースってどう違うの?」という疑問を解説します。
「刺繍」って何?
まずは刺繍についてご説明します。
刺繍とは、布の上に刺繍糸と刺繍針を使用して装飾を施す技術。英語では「Embroidery(エンブロイダリー)」と呼ばれます。
世界的には3000年もの歴史があると言われており、それぞれの土地・地方・文明の中で、おのおの独自の技法が生まれてきました。
製法としては、大まかにわけて、人の手で行う手刺繍と、機械を使用する機械刺繍があります。
刺繍というのは、「布をチクチクと縫って立体的な模様をつくる」ことやものです。
「レース」って何?
変わって、レースとは一体どのようなものでしょうか。
レースは、糸を用い、すかし模様の布状にしたものの総称のことを指します。
では、刺繍とレースの違いは。
つまり、刺繍とレースの違いは、
刺繍は「布に糸で模様をほどこした部分」であるのに対して、
レースは"すかし模様の布全体のこと"を大きく指すことが分かります。
そして、すかし模様であれば、糸でチクチク縫った刺繍のものでなくても、レースと呼ばれます。
例えば、安価なレースは薄手の布に機械で穴を開けることで透かし模様を作っています。
「刺繍レース」という言葉も聞くけれど…?
レースには、棒針編みレース、タティングレースなど様々な種類があり、そのうちの一つに刺繍レース(エンブロイダリーレース)というものがあります。これは、布地にレースの様に刺繍をほどこし、加工したもの。
とても薄い生地に糸で刺繍をし、模様を作り上げていくので、大変手間のかかったレースです。ハイブランドの高価なウェディングドレスなどは、このエンブロイダリーレースが使われています。
【刺繍?レース?】実際に見て学びましょう!
刺繍とレースの違いについて、文章で説明しました。
なんとなく概念は理解できても、ピンとこない方も多いかもしれないので、次は実際に写真を見ながら解説します。
こちらは、オーガンジーにピンクや赤で花を刺繍した生地。刺繍ならではの立体感や、刺繍糸の変化の美しさがよく分かります。
ドレス全体に刺繍がほどこされたこちらのドレスは、一着約90万円というお値段。
こちらは、薄い生地に白いお花の刺繍が全体にほどこされています。お花の一つひとつは刺繍ですが、透かし模様になっているので広義のレースとも言えるでしょう。
手刺繍がほどこされたレースなので、エンブロイダリーレースですね。
こちらはお花ひとつひとつは刺繍(機械刺繍)ですが、透かし模様になった布地なので、生地自体はレースと呼ばれます。
こちらは、レースペーパー。よく、ケーキの下に敷かれている、レース模様に型抜きした紙です。これは、糸でチクチク縫われていないものですが、レース模様です。リーズナブルなレースリボンなども、機械で穴を空けることで作られています。
刺繍とレースの違い、理解できた?
いかがでしょうか?レースと刺繍の違い、理解ができて、今後使い分けられそうですか??
考えれば考えるほど、とてもややこしいですが、刺繍=レースではありません。
まとめると、
①刺繍というのは行為や一部のことを言う場合が多く
②レースというのは刺繍で成り立つ全体のことを示すことが多いです。
③また、レースというのは刺繍以外でも成り立つ場合もあります。
刺繍というのはとても高度な技術が必要で、作れる人やメーカーも少ないため、比較的リーズナブルなアイテムの場合は、使われているのは刺繍ではなく、レースのことが多いです。
なので、刺繍でつくられたレースは非常に高価で貴重なもの。古来であれば、かほうとされていたくらい、価値があるものです。
刺繍が施されているドレスやベールと出会ったら、「とっても贅沢なものなんだな♡」と思ってください♩
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