匿名で回答!ウェディング業界で働くプロが語る「結婚式費用が高い理由」
2018.12.14公開
結婚式の費用は高いっていうけれど…
プレ花嫁さんなら、一度や二度、見積書とにらめっこした経験はあるはず。
「結婚式準備中は金銭感覚がおかしくなる」
「ゼロがひとつ多い!」
なんてよく言われますよね。必要な物がなんでも高く思えて、「どうして結婚式ってこんなに高いの!?」と腹が立ったこともあるかもしれません。
でも…
ウェディング業界の費用って、何も理由がなく高くって、新郎新婦さんからぼったくっているだけなのでしょうか。
そこで今回は、ウェディング業界で働いている人たちに、「実は手間やお金がかかっていること」を聞いてみました。
私たちが知らない、結婚式が高いと思われる理由を匿名で回答してもらったので、ご紹介します!
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側①式場
結婚披露宴当日は、一組の新郎新婦さまに対して50名以上の人間が裏側で動いています。プランナーはもちろん、誘導スタッフ、配膳スタッフやキッチンスタッフなど、目に見えないスタッフがたくさんいます。
「2万円の料理コースならもっと品数が多くできないか」「高級レストランより高い」とおっしゃられる方がいますが、結婚式場の価格には全て、結婚式ならではの人件費が含まれています。
順番に一組ずつお料理をお出しすればよいレストランと違い、同時に数十人のお客様に出来立てのお料理を提供するには、それなりの人数、そして人件費が必要なんです。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側②式場
倒産してしまいましたが結婚式場で勤めていました。
私の勤める式場では、担当施行の席札並べや引出物のセッティングなどの会場の最終チェックは担当プランナーの仕事でした。
明日この会場で良き日を迎えるお二人が、扉が開いた瞬間に幸せな気持ちに溢れるよう、不備がないよう細心の注意をはらって、お二人とのお打合せの事など色々思い出しながら夜遅くまで会場を1人でウロウロとしていたものです。
これにこんなにかかるの?と思うこともあるかもしれませんが、お2人に関わらせてもらったスタッフにはお2人からぼったくってやろう!なんて気持ちが少しも無いことが伝わったら嬉しいです。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側③式場
会場によるかとは思いますが、わたしの勤務先では披露宴の席札、ナイフなどのテーブルセットは人件費を計算すると1人分をセットするのに700円かかっているとサービスマネージャーから聞きました。
クロスを敷いて、洗って磨いた食器やシルバー並べて、テーブルナプキンを折ってセッティングして…
100人分だと7万円。意外にお金がかかっていますよね。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側④式場
私の式場では、毎回テーブルに並べるシルバーを一つ一つ手作業でピカピカに磨き上げています。
新郎新婦様の大切なゲストの方に、素敵な結婚式だと思ってもらえるように、細かい部分も抜かりなくおもてなしをしたいと思っています。
そういった細かい作業や手間のせいで、価格が上がり、「ぼったくり」などと思われてしまうのかなと思います。
決して理由なく高いわけではなく、見えない裏側で様々な仕事が行われていることが少しでも伝わったらと思います。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側⑤ドレスサロン
ぼったくり…なんて言われると心が痛みます。
全ての物に対して仕入れが発生します。それに対して、開発したり製造したり、いろんな人々や会社がかかわっています。当然会社としては、利益が出ないと成り立ちません。
私達のお店もドレスを仕入れるときに正直金額も考えます。
ですが、スタッフは、お客様の顔を思い浮かべたりしながら、
この商品は喜んでもらえるだろうか?今のプレ花嫁さん達は、こんなドレスが好きだろう!こっちの色のほうが…デザインが…
と真剣に考えながら仕入れをしています。
一生に1度だから。式場のプランナーさんもそうだと思います。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側⑥ドレスサロン
販売ドレスの場合は売り切りですが、レンタルドレスの場合は、クリーニング、補修、生地の張り替え、ビーディングのほつれ補修など、
納品前には、サイズお直しや、改めてメンテナンスやアイロンをかなり時間をかけているので手間も費用もかかります。
特に、ここ数年人気のチュールのドレスは破れや穴が空いて戻ってくることが多いです。大体、3~4回で新しいドレスに交換になります。ドレスも何回転もさせて儲けているわけではないのです。
また、納品、返却時の配送料や、ドレスカバー、お送りする際の大きな箱も想像以上に費用がかかります。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側⑦フローリスト
結婚式で使うお花は、箱で仕入れて、ブーケにできる良い状態のお花だけをその中から選びます。全て使うことはありません。
さらに箱の中から選んだお花を、トゲを取ったり葉っぱの処理をしたり、手を加えてから、ワイヤリングをしてテープを巻いて、ブーケにします。
挙式当日に一番良い状態になるようにするため、寒い季節でも暖房はつけられません。(暖かくするとお花が開いてしまうため)
金額だけを聞くと高い!と思うかもしれませんが、そういう工程があるので、お花の値段だけではなく、技術料金も加わってのブーケ代です。
こんなに手間がかかってる!結婚式業界の裏側⑧ウェディングアイテム
「高い」という言葉は同じメーカーから出ている同じ品番の商品が店舗によって違う値段で売られている時の比較として使う言葉です。
それぞれのサービス・商品自体が違うのえあれば「安い」「高い」と比較する言葉を使うのは適していません。
価格には理由があります。
一生に一度の結婚式だからこそ妥協したくない!という花嫁様に選んでいただくため、
価格が低い商品では実現出来ない材料費、手間賃、梱包費、時間・・・見えない費用をたくさんかけてこだわって作り上げています。
価格に対する印象は個人の主観です。高いと思うのなら購入するのをやめ、公の場で発信しないでもらいたいと願うばかりです。
大きな買い物である結婚式。でも、高いのには理由があるんです。
結婚式業界で働く人たちに聞いた、価格の理由をご紹介しました。
私たちの知らない裏側でたくさんの人が、見えない作業をしてくれているんですね。
結婚式は確かに、今までの人生の中でも最大ともいえるお買い物。そして一番(!?)幸せなお買い物なはずです♡
だから、「ぼったくられてる」と思いながら結婚式を迎えるのも、気持ちが良くないですよね。
そもそも、新郎新婦としては「1日のためにこれだけの金額!」と思うかもしれないお金ですが、
結婚式場としては、約1年間にわたってやりとりや打ち合わせをする人件費もあるし、(だから、3カ月以内に挙式の場合などは安いですよね!)
地代や公共料金も払わないといけないし、仕入れにだってお金がかかります。
さらには技術料など、目に見えない様々なことが含まれた価格なんだ。と考えることも必要で、
それでも納得ができない場合は、納得できるサービスを提供している会社を他に探した方がよさそうです。
「これは自分にとって〇円払う価値があると思う」
「これは自分にとって〇円払う価値がないと思う」
と決めるのは自分自身ですが、その判断をするときに、「世の中は目に見えないいろーんな人のおかげで成り立っていて、コストや費用や労力がかかっている事」をいったん想像してみるのも大事です*
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