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米国ではお葬式の曲!?挙式で定番の曲『アメイジンググレイス』の歌詞の背景がTwitterで話題

2019.03.17公開
きゅん
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挙式の定番曲『アメイジンググレイス』に違和感?

結婚式準備でこだわることのひとつ、BGM。

披露宴のBGMは自分たちで好きな曲を選ぶことができますが、挙式で流れる曲や、聖歌隊が歌う曲については式場にお任せという方が多いのではないでしょうか。

そんな挙式での合唱曲に関して、最近あるツイートが話題になっていました。

それは、日本では結婚式の定番の曲である『AMAZING GRACE(アメイジンググレイス)』を聴いて、米国出身の方がびっくりした、というもの。

誰でも一度は聴いたことのあるアメイジンググレイス。

なぜアメリカではお葬式の曲として知られているのでしょうか。

そして、結婚式で歌うのはおかしいことなのでしょうか。

この記事では、200年も世界中で愛されている賛美歌『アメイジンググレイス』の誕生の背景についてご紹介します。

『AMAZING GRACE』ってどんな曲?

アメイジング・グレイスは、イギリスの牧師ジョン・ニュートンの作詞による賛美歌。

特にアメリカ合衆国で最も慕われ愛唱されている曲の一つです。

グレイスというのは、「神の恵み」「恩寵」という意味。

神様の恵みについて歌った、ゆったりとしたテンポの曲の美しい曲です。

結婚式でチャペルに響く厳な旋律と、透明感のある聖歌隊の歌声は、思わず聞き入ってしまいますよね。

アメリカではお葬式で歌われるって本当?

日本では結婚式の曲として知られているアメイジング・グレイスですが…

Twitterで話題になっている通り、アメリカでは結婚式よりもお葬式や追悼式の場で聴くことが多いよう。

故人が神さまの恵みによって生かされてきたこと。そしてイエス・キリストの十字架の贖いによって救われ、天の御国に召されたことを想い、歌われているそうです。

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2015年、南部サウスカロライナ州チャールストンの教会で黒人9人が射殺された事件では、オバマ米大統領が葬儀の追悼演説の中でアメイジング・グレイスを歌いました。

この出来事は大きな感動を呼び、参列者が合唱する事態となりました。

アメイジング・グレイスの歌詞は?

日本では結婚式で歌われることが多く、アメリカでは別れのシーンで歌われることの多いアメイジング・グレイス。

一体、どのような歌詞なのでしょうか。

「アメージング・グレース 何と美しい響きであろうか…」から始まる歌詞は、神の言葉や信じる心によって作詞者であるジョン・ニュートンがいかに救われたかを綴っています。

神の恵みを歌い讃える内容で、一見結婚式で歌われていても全く問題ないように感じますが…

クリスチャンや、外国人の方が結婚式で『AMAZING GRACE』を聴いて違和感を覚える理由は、その背景にあるのかもしれません。

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作詞者のジョン・ニュートンは奴隷貿易で富を得ていた

アメイジング・グレイスの作詞者である牧師のジョン・ニュートンは、実は30代で牧師となる前、黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」で富を得た人物。

当時、拉致された黒人は奴隷として荷物のように船に詰め込まれ、輸送先に到着する前に多くの者が栄養失調や感染症で命を落としていました。

ニュートンもまた、拉致してきた黒人に対して当然のようにこのような酷い扱いを行っていたそうです。

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人生の転機が訪れたのは、ニュートンの船が嵐によって転覆の危険に陥った時。ニュートンは初めて神に心から祈り、奇跡的に船は沈没を免れました。

この出来事から、ニュートンは聖書や宗教的書物を読むようになり、黒人奴隷に対しても同情を感じるように。

そして数年後には船を降り、勉学と多額の献金を重ねて牧師となり、アメイジング・グレイスが生まれます。

アメイジング・グレイスの歌詞中では、ニュートンの黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝が歌われているのです。

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様々なとらえ方がありますが、「過去の過ちが赦され、天国へ導かれる」という歌詞に込められた背景から、

クリスチャンの方や海外の方は『AMAZING GRACE』を聞くとお葬式を思い浮かべるのかもしれません。

結婚式で流してはいけないの?

200年も愛され続ける賛美歌「アメイジング・グレイス」。背景には壮絶な時代背景がありました。

とはいえ、神の恵みを歌った素晴らしい賛美歌であることには変わりません。

ゲストの中にクリスチャンの方や、海外の方が多い場合は避けた方が良いかもしれませんが、歌詞自体は結婚式に相応しくないわけではありません。

実際に、アメイジンググレイスの誕生背景を知った上で、「過去の出来事を乗り越え新しい人生を歩みだす」ということで結婚式に相応しいという解釈をする方もいるようです。

また、その美しい音色や、荘厳なメロディーに結婚式らしさを感じるゲストも多いはずです。

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「アメイジング・グレイス」はのちに奴隷解放に繋がる!?

奴隷制度廃止を訴えた政治家ウィリアム・ウィルバーフォースの実話をもとにした史実映画『アメイジング・グレイス』も公開されています。

この物語の主人公であるウィリアムは、ニュートンが作詞した『アメイジング・グレイス』を心の支えに、生涯をかけて奴隷貿易廃止に尽力しました。

作中では、二人の結婚式で皆が『アメイジング・グレイス』を合唱しています。(海外でも絶対結婚式で歌われないというわけではないようです)

この映画を観たら、『アメイジング・グレイス』がより特別な曲になりそうですね。

背景を知った上で、自分の結婚式でも流したいと思う方もいるはず。

気になった方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

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