皇居や歌舞伎座の飾り壁も作ってる!歴史ある織物ブランド【龍村美術織物】って知ってる?
2022.07.21公開
歴史ある織物のブランド*
「龍村美術織物(たつむらびじゅつおりもの)」という、伝統的な織物のブランドを知っていますか?
1894(明治27)年創業の、日本を代表する、京都にある老舗の織物店。
美しいデザインの帯が有名で、
着物を嗜む多くのひとが“龍村の帯”を締めると気持ちが凛とする...と感じるような、そんな特別なブランドです。
そもそも織物というのは、糸を縦・横に一定の規則で交錯させて組み合わせて作った布地のこと。(機織り機を使います)
糸の素材や技法などが地域によって違うので、産地の名前を冠して「○○織(おり)」と呼ばれています。
西陣織や博多織なら聞いたことある!という人も多いはず。
呉服店や着物屋さんで耳にする言葉ですよね。
龍村美術織物は【美術織物】という新しい分野を確立*
そんな数ある織物のなかでも、龍村美術織物は【美術織物】という新しい分野を確立したことで有名。
美術品のように美しい織物。
それが、美術織物です。
初代の龍村平蔵さんが特にすごい方だったみたいで、歴史を知ると、その偉業に驚かされます*
16歳の時に呉服商への道に進み、18歳という若さで織元として独立。30代で、今でも製造が続けられている「高浪織」や「纐纈(こうけち)織」を生み出したそう。
それまで平面的に構成されていた織物の表面に、立体的に見える表現技法と色彩を開発したのは、当時の常識を覆してとにかく革新的なことでした。
100年以上前に作られた織物なのに、いま見ても本当に美しいです。
その後、開発した織物の技法が次々と模倣されていくうちに、「創作のためには染織の歴史や古代裂の研究が必要不可欠である」という考えに至り、古代裂の復元研究に没頭しました。
古代裂(こだいぎれ)というのは、製造から100年ほど経っている、古い織物の断片のこと。
古いものだと、飛鳥時代の裂地もあるそう。
初代の龍村平蔵さんは織物を生み出すだけではなく、「復元の第一人者」としても知られているのですが、
法隆寺や正倉院に伝わる古代裂や名物裂(中国からきた染織品)の文様を復元させるという、未踏の偉業も達成しました。
あの芥川龍之介とも交流があったみたいで、平蔵さんの作品を見て「恐るべき芸術的完成があった。私は何よりもこの芸術的完成の為に頭を下げざるを得なかつたのである」と当時、新聞に寄せたそうです。
1962年に亡くなりますが、それまでに
・昭和天皇即位の際の大礼記録表紙裂を謹製する
・海外にも進出していたことから、早雲寺文台裂という復元生地が、クリスチャン・ディオールのドレス地の制作にも使われる
・日本芸術院恩賜賞を受賞
・紫綬褒章受章を受賞
・平成になってからは、皇太子殿下、雅子妃殿下、秋篠宮殿下、紀子妃殿下の「納采の儀」用絹巻物を謹製する
などで活躍しました。皇室御用達なのも納得。まさに、織物文化を築いた偉人です。
現在4代目で、今も伝統とスピリチュアルが受け継がれています*
現場には、最大幅2.5mの織物を織れる貴重な100インチ織機も...!
こんな大きな機織り機、初めて見ました。
これで、皇居正殿内装裂や、歌舞伎座の大間飾り壁裂地、ホテルオークラのロビー飾り壁、祇園祭りの神輿の生地など、大きなサイズの織物を作り上げているそうです。
結婚式でも着られる♡
龍村美術織物の製品は、一部の呉服店や着物屋さんでの取り扱いもあり。
結婚式や前撮りをするときの衣装店やサロンにもしあれば......レンタルで、実際に着られます*
知っている限りだと、京都の【ZEN】という和装専門レンタルショップやブライダルHIROなどで取り扱いがあるみたい。
こちらの色打掛は、購入した場合1000万円ほどするそう...!
こんなに高価で貴重な織物を、実際に着られると思うと背筋がしゅっと伸びるような気持ちがするし、嬉しいですよね。
実際の商品を見てみたい*
龍村美術織物のブランドについて分かったところで、実際に、どんな製品があるのか気になりますよね。
まずはやっぱり、帯。こちらが「龍村の帯」として有名な一部の文様です。
オンラインショップもあるのですが、価格帯を見てみたところ、安いもので13万円台、高いもので100万円近い帯がありました。
価格帯の幅は広いみたいです。
可愛い♡
帯は、1本持っているだけで、これからお呼ばれ結婚式やその他イベントで着物を着るたびに使い続けられるので、欲しくなります。
いつか子供の成人式などで使ってもらえるかも。
こんなデザインも*
見ているだけで楽しいのでぜひ。
➡帯一覧を見てみる
他には、和雑貨・和小物も販売しています。
足袋や小物を入れられる、数寄屋袋。
ミニ巾着*
JALとコラボしたバゲージタグ*
金封袋も。
冠婚葬祭で使ったら、上品に見えそうです。
マイホームに和室を作るなら、龍村美術織物のアートパネルを飾りたい*
➡商品一覧を見てみる
知れば知るほど、魅力的*
皇室御用達で、日本の織物文化の発展に貢献し続けてきた「龍村美術織物」。
電車の椅子の生地も、作っていたりするそうで...!こちらは丸ノ内線2000系の座席シート。
知らないうちに、もしかしたら龍村の織物の上に座っていたかも...!?と考えるとびっくり。
でもそれくらい、いろんな会社の製品や、文化的・歴史的な施設・建物の装飾などで使われているんだな...と思って、ますます凄みが増しました。
龍村美術織物のショールームは京都にあって、実際に見に行くことができます。和小物は実際に購入することも可能。
ここまでの歴史を知ってから行くと、社会科見学のような気分にもなりそう...!
いつか、行ってみたいと思いました♡
➡オンラインショップはこちら
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